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DXを推進するコンテナ ~VMware Enterprise PKS~

ライター:榎本 真弓
VMware社のクラウド周りの製品を担当しており、技術Updateや使い方など有益な情報をお届けできればと思っています。
・vExpert 2020-2024
・vExpert NSX 2021-2024

目次

企業を取り巻く経営環境が急速に変化する現在、企業のITシステムにおいても、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務プロセスの変革が急務となっています。

デジタル化が進む中で、多くの企業は2種類のシステムの運用が必要となっています。従来からの社内業務の基盤となる基幹システム(SoR:System of Records)と、顧客目線でスピーディにビジネスの創造を目指す、新規の案件創出型システム(SoE:System of Engagement)です。

現在DXにより、従来型のSoRのクラウドへの移行は急速に進んでいます。一方新規のSoEにおいては、従来型のシステムに比較してさらなる迅速性や効率性が求められます。この新たなシステムでは、インフラストラクチャの利便性をさらに加速させた、次世代のアーキテクチャとしてコンテナ技術に注目が集まっています。コンテナがDX基盤にもたらすメリットと、具体的なコンテナ基盤のソリューションについてご紹介いたします。

コンテナ及びkubernetesのもたらすメリット

SoEにおいて次世代のサービス開発は、従来型のソフトウェア開発よりも速いペースで製品の機能向上を図るDevOpsと呼ばれる考え方で実装されます。DevOpsでは、アプリケーションの開発とリリースを短期のサイクルで繰り返し実施し、継続的に性能を改善します。このDevOpsにおいて、コンテナ技術は、軽量で移植性に優れた実行環境を提供します。

クラウドや仮想環境で利用される仮想マシンは、OSからミドルウェア、アプリケーションまでを実行環境としてパッケージングしますが、コンテナは共通のOS上で、ミドルウェアとアプリケーションをパッケージングするもので、仮想マシンに比較して大幅に軽量です。

顧客ニーズを満たす高品質なサービスを、迅速にリリースすることが可能となり、ビジネスを大きく推進するメリットがあります。

大規模環境において、コンテナを活用したいというニーズの高まりに応じて、コンテナを管理する(死活監視や環境のアップデート)仕組みが必要とされるようになりました。Kubernetesは、コンテナ管理においてデファクトとなるオープンソースのオーケストレーションツールです。

VMware Enterprise PKS

出典: Announcing Pivotal Container Service General Availability

VMware Enterprise PKSは、仮想化・クラウド分野で実績のあるPivotal社とVMware社が提供するKubernetesパッケージです。企業システムのVMware vSphere基盤上で、Kubernetes環境を迅速に展開可能です。オンプレミス環境だけでなく、AWSやAzureなどのクラウド環境にも対応しています。また大きな特徴として、ライセンスにVMware NSX-T Data Centerが含まれており、Kubernetesのネットワークに必要とされる様々な機能をNSX-Tによって提供することが可能です。

次にPKSの主なコンポーネントをご紹介します。

Ops Manager

最初に展開するコンポーネントで、PKSの構成要素であるBOSH、PKS、Harborをデプロイします。

BOSH

インフラストラクチャを制御し、Kubernetesクラスタの構築、死活監視、拡張及びバージョンアップを自動化します。Enterprise PKSからの要求を受けて、基盤となるvSphereやNSX-Tへの操作に変換します。Kubernetesクラスタの展開後の(Day1)、日々の運用の(Day2)の簡素化を実現します。

Enterprise PKS

VMware Enterprise PKSの中心となるコンポーネントです。Kubernetesクラスタに必要とされるバイナリファイルや、Kubernetesクラスタの構成方法(マニフェスト)が含まれ、Kubernetesクラスタを管理します。

Harbor

ユーザ認証や脆弱性スキャン機能等を持つ、セキュアな社内用のコンテナイメージのレジストリを提供します。

VMware NSX-T Data Center

PKSと連携する事で、コンテナ環境において、論理スイッチ、ルーティング、ファイアウォール、ロードバランサ等様々なネットワーク機能を提供します。NSX-Tを利用しないコンテナネットワークの構成には、Flannel等個別のオープンソース技術の習熟が必要となります。

出典: The value-add of NSX Data Center Compared To Open Source Solutions For Cloud Native Apps

まとめ

企業システムのデジタル化の推進において、迅速にビジネスの創造を目指すプラットフォームの構築の必要性が高まっています。こうした案件創出型のシステムにおいて、コンテナやコンテナ管理技術Kubernetesが注目されています。

今回は企業システム環境における、現実的なエンタープライズ性能のKubernetesパッケージ製品として、VMware Enterprise PKSをご紹介させていただきました。ネットワンは、クラウド環境において今後もお客様にとって最適な次世代のインフラ基盤を提供させていただきます。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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