It is the top of the page

Link for moving within the page
To text (c)

このウェブサイトではサイトの利便性の向上のためにクッキーを利用します。サイトの閲覧を続行されるには、クッキーの使用にご同意いただきますようお願いします。
お客様のブラウザの設定によりクッキーの機能を無効にすることもできます。詳細はこちら

The main part starts here.

  1. ナレッジセンター
  2. 匠コラム

無線LANトラブルシューティング:「無線が遅い」~通信可視化のススメ~

匠コラム
ネットワーク
可視化

ビジネス推進本部 応用技術部
エンタープライズSDNチーム
中野 清隆

無線LANの主なトラブルとして「つながらない」「通信が遅い」というものがあります。その中で「無線LAN通信が遅い」というトラブルは、無線LANクライアントの接続台数の増加や無線LANクライアント上で様々なアプリケーション通信がされるようになるにつれて大きな課題になってきています。

「無線LAN通信が遅い」というトラブル時の対応はどのようなことをすればよいのでしょうか?

これまでの「無線LAN通信が遅い」というトラブルへの対応としては次に示すような確認をクライアント側、アクセスポイント側に対して主に実施していました。

これまでの「無線LAN通信が遅い」というトラブルへの対応方法

○トラブル該当クライアントにおける電波環境の変化調査
クライアントの電波強度変化の調査
クライアントの電波状況悪化によってパフォーマンスが低下していないかを確認

figure01

クライアントの伝送速度変化の調査
クライアントの伝送速度低下によってパフォーマンスが低下していないかを確認

figure02

○該当クライアントが接続していたアクセスポイントにおける無線環境の変化調査
電波干渉有無の調査
電波干渉によってパフォーマンスが低下していないかを確認

figure03

無線区間の利用率(Channel Utilization)変化の調査
無線区間の利用率が上昇することでパフォーマンスが低下していないかを確認

figure04

接続クライアント数変化の調査
クライアント接続数が増加することでパフォーマンスが低下していないかを確認

figure05

これらのこれまで実施している調査方法は「電波の可視化」であり、目に見えない電波を可視化して電波環境変化の有無を調査し、パフォーマンス低下の原因がないかを確認することが可能です。

では、この「電波の可視化」による調査だけで「無線LAN通信が遅い」というトラブルに対して十分でしょうか?

例えば、無線区間の利用率が高くなったことで通信が遅くなった可能性については、これまでの調査方法で判別できますが、なぜ無線区間の利用率が高くなったのか?という点については不明なままなのでIT担当者様は具体的な対応策の検討が難しい場合が多々あります。

そこで今回説明させていただく「無線LAN通信の可視化」がポイントになります。

「無線LANの通信を可視化」することで「誰が」「いつ」「どのような通信(種類・量)」をしていたかの可視化が可能で、その情報をもとにして「電波の可視化」情報と合わせて、IT担当者様は「無線LANの通信が遅い」というトラブルに対して、より具体的な対応の検討が可能になります。

どのようにして「無線LANの通信可視化」を実現するのか?

無線LANコントローラと管理・監視装置の組み合わせで実現します。

まずCisco社製無線LANコントローラに備わるAVC(Application Visibility and Control)機能を使用して無線LANクライアントの通信をアプリケーションレベルで可視化します。(1,000以上のアプリケーションを可視化可能)

そしてCisco社製エンタープライズネットワーク向けの製品群(ルータ、スイッチ、無線LANデバイス)を統合管理・監視する製品である Cisco Prime Infrastructure(以降、PI) をFlowコレクタとして動作させ、無線LANコントローラからのアプリケーション情報を蓄積します。

※無線LANコントローラ上でも通信を可視化した情報を確認可能ですが、クライアントが接続OFFとなり無線LANコントローラ上から削除されるとクライアントのアプリケーション情報は削除されます。また長期間の情報保存という点でも無線LANコントローラだけでは不向きです。そのため、情報蓄積のためには、Flowコレクタとして情報蓄積が可能なCisco PIが必要です。

figure06

Cisco PI上では各種ダッシュボード、各種ダッシュレットがあり、それらを組み合わせて活用することで、「特定アクセスポイント配下の通信」「特定クライアントの通信」という調査ポイントにおいて、「誰が」「いつ」「どのような通信(種類・量)」をしていたかわかりやすく可視化することが可能です。

figure07

Top N Clientsダッシュレット
特定期間におけるアプリケーション使用率・量の多いクライアントを表示
いつ誰が多くの通信をしていたかを確認可能

figure08

Top N Applicationsダッシュレット
特定期間における使用率・量の多いアプリケーションを表示
いつどのようなアプリケーションが多く通信されていたか確認可能

figure09

Top Application Traffic Over Timeダッシュレット
特定期間における時系列での使用率・量の多いアプリケーション推移を表示
いつどのようなアプリケーションの通信変化が大きかったか確認可能

figure10

これらのダッシュレットの通信可視化情報をもとに、特定ユーザまたは特定アプリケーションの想定外の通信量の増加によって他ユーザのパフォーマンス低下が発生していないかを確認します。

そしてCisco無線LANコントローラでは、確認した可視化情報をもとに、帯域制御をする必要があれば次に示すような制御を検討可能です。

どういった帯域制御の対応が可能か?

figure11
figure12
figure13

Cisco版エアタイムフェアネス
全クライアントに対して平等なフェアネスではなくSSIDで重みづけ(SSID1=70, SSID2=30など)をして無線区間のフェアネスを実施可能

  • 業務PC用SSID & スマホ用SSID
  • 業務PC用SSID & ゲスト用SSID

などで重みづけした活用が可能
通信の可視化の結果、スマホ用SSIDの通信やゲストSSIDの通信量が多く、業務PCのパフォーマンスに影響を与えている可能性がある場合に、エアタイムフェアネス機能をして制御を実施

figure14

クライアントごとの帯域制御
クライアントごとに○Mbpsという閾値設定をして帯域制御(ポリシング)を実施可能
SSIDごとに設定が可能
通信の可視化の結果、スマホ用SSIDの通信やゲストSSIDの通信量が多く、業務PCのパフォーマンスに影響を与えている可能性がある場合に、スマホ用SSIDやゲスト用SSIDのクライアントに対して帯域制御を実施

figure15

アプリケーションごとの帯域制御
無線LANコントローラのAVC機能で識別したアプリケーションに対してアプリケーションごとに○Mbpsという設定をして帯域制御(ポリシング)を実施可能
通信の可視化の結果、特定のアプリケーションの通信量が多く、業務PCのパフォーマンスに影響を与えている可能性がある場合に、特定のアプリケーションに対して帯域制御を実施

figure16

Cisco PIの他Flowコレクタに対するメリット

Cisco PIは無線LANの可視化ツールとして以下のメリットがあります。

メリット①
クライアントはIPアドレス表示だけではなく802.1Xユーザ名表示ができる
⇒「誰」かを判別しやすい

メリット②
WLCの端末識別機能も併用することでクライアント情報(IPアドレス、ユーザ名)に加えてデバイス情報表示もできる

figure17

メリット③
Cisco PIのダッシュボードではアクセスポイント単位のフィルタが可能なので調査範囲を特定のアクセスポイントに限定できる
⇒調査が楽に

figure18

まとめ

Cisco社製無線LANコントローラに備わるAVC(Application Visibility and Control)機能と、Cisco社製エンタープライズネットワーク向けの製品群(ルータ、スイッチ、無線LANデバイス)を統合管理・監視する製品である Cisco Prime Infrastructure(以降、PI)を組み合わせて活用することで「無線LAN通信の可視化」が可能です。

「無線LANの通信を可視化」することで「誰が」「いつ」「どのような通信(種類・量)」をしていたかの可視化が可能なため、IT担当者様は「無線LANの通信が遅い」というトラブルに対して、より具体的な対応の検討が可能になり、非常に役に立つツールになると思います。

より詳細な内容、具体的な動作をご覧になりたい場合には、是非とも弊社営業までご相談頂ければと思います。

執筆者プロフィール

中野 清隆
ネットワンシステムズ株式会社 ビジネス推進本部
応用技術部 エンタープライズSDNチーム
所属

入社以来無線LANの製品担当SEとして製品や技術の調査、検証評価、及び、提案や導入を支援する業務に従事。
現在はキャンパスセキュリティや自動化に力を入れるなど、エンタープライズSDNのエンジニアとして邁進中。
第1回 シスコ テクノロジー論文コンテスト 最優秀賞

Webからのお問い合わせはこちらから

ナレッジセンターを検索する

カテゴリーで検索

タグで検索