ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文へ (c)

このウェブサイトではサイトの利便性の向上のためにクッキーを利用します。サイトの閲覧を続行されるには、クッキーの使用にご同意いただきますようお願いします。
お客様のブラウザの設定によりクッキーの機能を無効にすることもできます。詳細はこちら

ここから本文です。

NEWS & EVENT

共創が紡ぎ出す未来の工場『次世代無線共創プロジェクト』明治電機工業株式会社、オムロン株式会社、ネットワンシステムズ株式会社、3社合同インタビュー(前編)

NEWS

このたび、明治電機工業、オムロン、ネットワンシステムズの3社が手を組み、次世代無線技術を活用したスマートファクトリーの実現に挑戦する共創プロジェクトを実施した。
専門分野の異なる3社が共創して、どのようなものが生まれたのか。
今回は各社の担当者代表として、明治電機工業の高橋氏、オムロンの小林氏、ネットワンシステムズの吉田氏に、このプロジェクトについて語っていただいた。

(左)明治電機工業株式会社 ソリューション事業本部 制御システム部 システム営業課 高橋利匡 氏
OTネットワーク構築やDXソリューションシステムのプロジェクトマネージャーとして組織を牽引

(中央)オムロン株式会社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 技術開発本部 第1技術部 小林真司 氏
レイアウトフリー生産ラインコンセプトの実現に向けて、産業用ネットワークの5G無線化性能検証などに従事

(右)ネットワンシステムズ株式会社 中部事業本部 エンタープライズ技術部 第4チーム エキスパート 吉田武史 氏
製造業様を対象にプリセールス活動に従事 本プロジェクトのPMとして5月から参画

どのようにして、『次世代無線共創プロジェクト』は始まったのか

---まずは『次世代無線共創プロジェクト』で明治電機工業様、オムロン様、ネットワンシステムズ様が共創するに至った背景・経緯を教えて下さい

高橋:

2、3年ぐらい前ですかね、ネットワンさんから、一緒に『OTネットワーク(工場向けのネットワークインフラ)』をキーワードにプロジェクトをやれないかというお話をいただいたのは。

もちろん工場のネットワークというのは昔からあるわけです。
しかし、今ある多くの工場では、IoTやDXなど、そういった大容量のデータを吸い上げるような規模での環境は成り立っていないのが現状です。
今後のために、そういったシステムが成立する、きちんとしたネットワークを今から工場内に構築しておく必要がある、という啓蒙活動から、お客様に新しい提案をしていきたいという想いは、我々も以前から持っていました。

我々は設備や制御機器、計測機器を得意としていますので、SIerであるネットワンさんと一緒になって、お客様にネットワークインフラについての提案をしていく過程で、制御機器メーカーであるオムロンさんにも協力していただく流れになり、次第に今回の共創イベントにまで発展していったというのが経緯になります。

小林:

我々は元々、工場での5G活用が見込まれるような産業用ロボット、搬送用ロボット、画像処理システムなどの各種センサーや制御コントローラーの、様々なファクトリーオートメーション機器を扱ってきました。

それを使って、2019年からノキア様やNTTドコモ様と弊社の3社で、製造現場における5G活用の実証実験をしており、特に5GとAMR(自律走行搬送ロボット)に関しては、様々な機会を通じて発表報告を行ってきました。

その後、2021年12月からオムロンの自社でも無線局の免許を取得してローカル5Gの設備を導入し、それを使って産業用ネットワーク、EtherNet/IP、CIP Safety(安全制御用通信)などの無線化に関する検証をしてきました。
その検証結果を5G-ACIA(産業用5Gの普及促進団体)やODVA(産業ネットワーク団体)などの各カンファレンスで情報共有し、そのような中、実際のお客様の現場に展開・導入をしていきたいと我々が思っていたところに、今回の共創プロジェクトのお話をネットワンさんと明治電機工業さんからいただきまして、プロジェクトに参画させていただきました。

吉田:

実はこのプロジェクト自体はすでに昨年から始まっていました。前述のお話の通り、だんだんと関係者も増えてきまして、結果的に非常に大きな協業になったという側面があります。

我々ネットワンシステムズとしては、ITの領域には自信を持っていて、論理的なデータとかサーバーネットワーク、ストレージ、アプリを扱う技術を得意としています。
ですが、それを実際の現場のセンサー、制御機器などに結びつける段階になった途端に、やはり現場のことがなかなかわからない。
現場がどうなっているのか、現場の方々が何をやっているのか、詳しく会話できる知識レベルにないという実情に気づきました。
これを契機に自然とプロジェクトが拡大し、3社それぞれの専門分野や強みが合わさることで、お客様が求めるものをワンストップで提供できる企画に発展しました。また、私たち自身も専門外の分野について理解を深めたいという想いから『次世代無線共創プロジェクト』が始まりました。

プロジェクトで見えた工場無線化の現状

---Wired(有線)の世界からWireless(無線)の世界への未来を描いて取り組んだ本プロジェクトですが、取り組んでみていかがでしたか。

吉田:

40社を超えるお客様の対応をさせていただきました。
すでに無線環境を導入している企業様もいらっしゃったのですが、一番感じたのは、「導入はしてみたものの、実際の現場が本当に最適化されているかどうかわからない」「導入はしてみたが、結局上手くいかなかった」など、無線化後に苦労されているケースが多いということでした。

会話をしていく中で、お客様の求めている要件を詳しく引き出すことができ、それを解決するためのローカル5Gの可能性についても詳しくお話しすることができました。
実際に「ローカル5Gをウチでも試してみたい」というお言葉もいただくことができましたので、非常に意義のあるものになったのではないかなと感じています。

高橋:

我々も様々なお客様と話をさせていただいたところ、感じたのは、やっぱり工場の無線化に対しての実例や実情を皆さんいろいろ知りたがっているんだな、ということでした。

同じネットワークインフラの中でも、OA(Office Automation、事務作業の自動化)領域は、もう結構普及していて、実際に便利に使っている企業様も多いです。
ですが、OTネットワークに関してはどうしたらいいのかさっぱりわからない、という段階のお客様が結構いらっしゃるのが現状です。

快適なOAとOTの融合について、今後どのように構築していったら良いのか、その回答についても、お客様に向けて発信していけたということが、今回のプロジェクトで最も手応えのあった部分だと思っています。

小林:

我々オムロンとしては、これまでもレイアウトフリーコンセプトというものを提案してきております。

簡単に言いますと、生産設備を無線化することで工程ごとに切り離し、工程間をAMRが搬送することで、商品の需要変動に合わせて生産ラインのレイアウト変更や立ち上げをフレキシブルかつスピーディーに行うことが目的の生産コンセプトです。

機器同士の通信ケーブルをワイヤレスにすることによって、生産ラインのレイアウト変更を簡単に短時間で行えるようになるのですが、今回『netone valley』のローカル5Gネットワークを使用することにより、お客様に実際にその環境を見てもらうことが可能となりました。

また人的な意味でもネットワンさんという、Wi-Fiと5G両方の無線に長けておられる、ネットワークのスペシャリストと連携ができたので、視野も広がったと思います。
わからないことや困ったことがあっても、他の専門家の方がきちんと言語化して解説をしていただき、弊社でも思い描いていたコンセプトをしっかりとアピールすることができたので非常に良かったです。

高橋:

普段、我々の業界では接することのない新しいお客様との出会いがあった、お話をする機会が設定された、という部分もこのプロジェクトの大きな意味になっていると感じています。
これは当たり前なのですが、普段、工場の現場に接していないお客様は、やはり現場の無線の実情をあまりイメージされていないケースが多いです。
そういったお客様にも、現場で起こっている課題・問題などを認識していただき、より具体的な提案や説明ができたという部分で、お客様にも実際に作業を行う我々にとっても、確実にプラスになったと確信しています。

様々な方々との交流があり、新しい発見にも日々気づく、業種の違う3社が共創することで、足し算ではなく、まさに掛け算のプロジェクトとなりました。

(後編へ続く)

VISIT

施設の見学をご希望の方は
弊社担当営業までご連絡ください。

CONTACT

取材・報道についての
お問い合わせはこちら