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NEWS & EVENT

共創が紡ぎ出す未来の工場『次世代無線共創プロジェクト』明治電機工業株式会社、オムロン株式会社、ネットワンシステムズ株式会社、3社合同インタビュー(後編)

NEWS

このたび、明治電機工業、オムロン、ネットワンシステムズの3社が手を組み、次世代無線技術を活用したスマートファクトリーの実現に挑戦する共創プロジェクトを開始した。
インタビュー前半では3社が共創に至った経緯、Wired(有線)の世界からWireless(無線)の世界への未来を描いて取り組んだ本プロジェクトの手応えを伺った。
後半では、そこから実際に生まれた発想やアイデアについて話が広がった。

(左)明治電機工業株式会社 ソリューション事業本部 制御システム部 システム営業課 高橋利匡 氏
OTネットワーク構築やDXソリューションシステムのプロジェクトマネージャーとして組織を牽引

(中央)オムロン株式会社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 技術開発本部 第1技術部 小林真司 氏
レイアウトフリー生産ラインコンセプトの実現に向けて、産業用ネットワークの5G無線化性能検証などに従事

(右)ネットワンシステムズ株式会社 中部事業本部 エンタープライズ技術部 第4チーム エキスパート 吉田武史 氏
製造業様を対象にプリセールス活動に従事 本プロジェクトのPMとして5月から参画

『次世代無線共創プロジェクト』から生まれたアイデア

---実際に『次世代無線共創プロジェクト』ではどのような発想・発見・アイデアが生まれましたか?

吉田:

発想という点で我々にとって盲点だったのは、お客様との会話で、エレベーターの中で無線が切れて困っているという話がありました。
そのお客様はエレベーターの中にAGV(無人搬送車)やAMR(自律走行搬送ロボット)を乗せて、上下の階まで移動して物を運びたいと考えられていたんです。倉庫内での物流という要件があって、エレベーターで無線が途切れてしまうと位置を見失う、制御ができないということを課題にされていました。

ITを得意とする我々の視点では、エレベーター内で無線LANが必要になるシチュエーションはこれまで想定していませんでした。
エレベーター内でパソコンで仕事する人は基本いないので、そこをカバーしようなんて発想がなかったんですよね。
エレベーターの中でも無線をつなぐ、そういう要件があるということ自体が非常に驚きでした。その課題へのソリューションを提供できれば、さらに同じような課題を持つ、多くのお客様の要望を満たせるのではないかと思いました。
そういった意外な需要を発見できたのは、大きな前進だと思います。


(デモ用AMR)

これはまた別のお客様なのですが、実際にAGVを使っているのだけれど、なかなか効率的に使えていないというお話もいただきました。

機器の制御にはQRコードを読み込んで、行き先や指示を与える手法を用いているとのことでした。
電車などでもホームドアの手動開閉にQRコードでの制御が使われているケースはあって、物理的なセンサーにQRコードで指示を与えて、様々な動作を促すというアイデアはかなり出てきていますので、この手法は、AGV、AMRの分野でもこれからも活用されていくと予想しています。
ただこの方法の課題点としては印刷した1つの物理的なQRコードは、1つの指示しか与えることができず、変更のたびにQRコードの差し替えをおこなう必要があるという点です。

そんなお話の中から考えついたことは、QRコードが1種類ではなく動的に変わっていけば、複数の処理を簡単にできるようになるんじゃないかなと。
例えばモニターにQRコードを表示させて、それを読み取るような仕組みを作れば、プログラムで表示を切り替えることで、いろんな設備の動的な制御ができる可能性がある。
IT側からの発想として、これを他業種さんと協力して現実的な計画に落とし込んでいけば何か面白いシステムが作れるのではないか、そういったアイデアを出すこともできました。

高橋:

今回のプロジェクトで実際にローカル5Gを試すことができて、改めてその性能に驚きました。これまでは通信障害が起こり得る可能性から、正直、現場としては無線化には後ろ向きな部分もありました。
そこに産業用のロボットが登場して、現在は無線化を進めざるを得ない状況が生まれていて、本当に大丈夫なのか? という気持ちも正直あったんです。

それが今回のイベントで、ローカル5Gってこんなに品質がいいんだ、ということを再確認できました。そういう意味で、私たちも初めて無線の実現化に自信が持てた取り組みとなりました。

小林:

実は私も2019年に自社で実際にローカル5Gの評価を始めるまでは、無線化って結構難しいんだろうなと漠然と思っていました。

それがローカル5GだとWi-Fiと違って本当にパケットが全部届いて、本当に途切れないということを目の当たりにした。これまでは半信半疑な部分があった無線化も、ローカル5Gを使えばしっかりと実現するんだ、という実感を得るに至りました。

現代の生産ラインというのは、どんどん高度になってきています。それに伴い、設備に「根が生える」と言うのですが、ケーブルがもういっぱいいっぱいに接続されている状態なんですね。組み替えのたびに、きれいに整線されたケーブルを外して、また1つ1つ配線が間違っていないかチェックしては移動する。その工事計画や作業に割くリソースは膨大なものとなっています。

それが無線化され、根が取れることで、今後ますます生産ラインを自由に素早く組み換えることができるような未来が訪れることが想像できます。それが無線化の最大のメリットかなと。

吉田:

アイデアが生まれるという点では、通常は畑違いの業界の方と一緒にコラボレーションをするのって、敷居が高いんですよね。
『netone valley』では、現場の方であったり、メーカーさんであったり、そういった異業種の方々がフリーレイアウトな場所で自由に集まって、同じ空間で気軽に話ができる。
そのこと自体、大きな価値になっていると思います。

ここだと、気軽に飲み物でも飲みながらちょっと話そうよ、みたいな感じで、簡単に高橋さんとかを捕まえて、お話できるんですよ。
「ここの意味がわからないんですけど、ちょっと教えてくれませんか?」「いいですよ」という雑談から始まって「このアイデアってどうなんですかね、使えると思いますか」といった話にまで広がっていく。『netone valley』の真価が、大いに発揮されているなと実感しています。

お客様・パートナー企業と共に、未来の工場の姿を描く

---今後の展望や可能性について教えて下さい

吉田:

このプロジェクトをきっかけに、ネットワンシステムズとしては工場やOT部門のお客様たちに向けて、蓄積したノウハウを活かした自信を持った提案をしていきたいと考えています。

あとはやはり、工場のスマート化ですね。
昔ながらのベルトコンベアであるとか、そういった工場からよりスマートに、人材不足の状況も打破できるような、省スペース、省リソースな新時代の工場づくりに向けてお客様と一緒になって取り組み、新しい価値を提供できるようなビジネスに繋がればと考えています。

我々提供する側だけでなく、実際に導入されるお客様も一緒になって、大きなプロジェクトとしてITとOTの融合の未来を描いていけたらと、そういうふうに思っています。

高橋:

今回の『次世代無線共創プロジェクト』はローカル5G・無線に特化したものですが、その前提として、OTネットワーク全体のインフラを充実させましょう、というところからスタートしているので、それを一歩ずつやっていく必要があると思っています。

ただ、そこは手段であって、目的はIoTやDXの領域に活用することや、データ連携およびBIツールによる解析にあります。我々はそのダッシュボードをいかに見せるかという、具体的な提案をしていかなければならない。

さらにはその先なのですが、やはり、現場も今後は仮想化やエッジコンピューティングが進んでいくのが必然なんですね。その中でPLC(機械や設備の自動制御装置)やヒューマンマシンインターフェース、そういったハードウェア制御機器が仮想化していくことは、この先5年のスパンでもう見えているんです。

今後も未来に向けたステップを意識した上で、そこにたどり着くための確実なアプローチをお客様にご提案し、OTネットワーク全体のインフラを充実させていきたいと考えています。

小林:

今後は、やはり工場内をよりフレキシブルに活用し、レイアウトなども自由に変えていきたいと考えているお客様がますます増えてきています。

我々はAMRや無線技術を活用して、より良いレイアウトフリーな生産ラインを実現していきたいと思います。

オムロンは制御機器メーカーですが、制御機器の性能だけが上がっても単体ではお客様には届かないので、SIerや現場の方々と一緒になって、お客様により良い製品、サービスを届けていきたいと考えております。

---本日は興味深いお話を、本当にありがとうございました

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