第2回 ワークスタイルの変革を促進するコラボレーションに欠かせない3つの要素

経営企画本部 第2応用技術部
EUCチーム
横山 哲雄

企業を取り巻く様々な変化に対応すべくワークスタイル変革が求められていることは、前回取り上げた(第1回 ワークスタイルの変革とポストPC時代に備える業務基盤)通りだが、現代のビジネスを取り巻く環境を生き抜くには、これまで以上に迅速な意思決定と情報の共有が必要不可欠になってくる。

旧来のビジネスのあり方であれば、従業員は会社に行くことで業務を遂行していくことが通常であり、オフィス中心の働き方になっていた。会議が必要であれば、関係者を招集し実際に顔を突き合わせ意見を交わし、合意形成や意思決定、情報の共有などを行っていた。

だが、今のビジネスを取り巻く環境においては、スピードアップや効率化により、生産性を上げるために色々な場所から、いついかなるときでも、業務を遂行し結果を残さなければならなくなっている。
これを実現するには、個の力だけではなく、個と個の融合によるシナジー、即ちコラボレーションの力が必要になる。コラボレーションをいつでも、どこにいても行うには、必要な要素が3つある。

フェイス to フェイスのコミュニケーション・コラボレーションが大事

意思決定や情報の共有において最も効果的な方法は、実際に顔を突き合わせる事である。だが、グローバル化などによって顧客やサプライヤーなどのビジネスを構成するすべての要素が地理的に離れた場合、このフェイス to フェイスを実現する事が非常に困難になる。

そこで必要になるのが、テレプレゼンスという、映像を使ったコミュニケーションの仕組みとなる。従来のテレビ会議と同じような仕組みであるが、実際は全く異なる。部屋から部屋を“映すだけ”だったのが従来のテレビ会議であるが、テレプレゼンスは、これを部屋からデスクへ、デスクから人へ、そして、人と人をもビデオでつなぐ事を可能にした。高精細な画質を伝搬できるため、単純に相手の空間が“見えていた”テレビ会議ではなく、相手の状況が具に分かり、地理的に離れた場所に居る従業員同士があたかも空間を共有しているかのようにコミュニケーションを取る事が可能になる。

IPを使った通信であるため、Internetを介して人と人をつなぐ事が可能になる。従業員同士だけではなく、企業間の接続も可能で様々なビジネス形態において発生する企業間のコラボレーションも容易にかつ高精細なビジュアルの恩恵を受け、ビジネスに非常に効果的に作用する。

テレプレゼンスは、単なる会議をするためのツールではない事は上述の通りだが、こういったツールが会議室以外でも利用可能ということは、多様な用途を実現する。タッチパネルを搭載し直感的な操作性に優れたモニター一体型のパーソナル型のデバイスを窓口業務に活用することも可能であるし、ソフトウェア化されたものをタブレットなどに導入し製造現場の情報共有などに使う事もできる。Webサイトにビデオ通話のコンポーネントを埋め込む事でブラウザ使いWebサイトからビデオ通話を活用したカスタマーケアを実現する事も可能になる。コラボレーションを加速させる多種多様なデバイスが登場し、あらゆるビジネスの現場でこれらを活用し、新しい働き方を確立させることで、企業としての継続した成長を実現する事が可能になっている時代になってきている。

モバイルでコストをかけずに実現

二つ目に必要な要素は、モバイルの実現だ。これらのコラボレーションが社内に限った利用であっては、場所や時間にとらわれない働き方の阻害要因となってしまう。こういったコラボレーションの仕組みは、Internetを介しどこに居てもいつもと同じ応答性を実現させるとより高い効果をうむ。従来のPSTNによる音声通話だけでは、コストの観点やユーザビリティの観点でコラボレーションが重要な現代の働き方にマッチしない。現在は、コンシューマにおいて、使い勝手も良く広帯域のモバイルネットワークに接続されたデバイスが主流になりつつある。こういったあらゆるデバイスとモバイルを活用しどこにいてもコミュニケーションとコラボレーションを実現させなければならない。

最近では、スマートフォンのパケット通信を活用したコミュニケーションアプリが増えている。利便性も高く操作性も直感的で使いやすい。こういったコンシューマ向けアプリケーションのような機能を持ち企業用途に耐えうる堅牢性を兼ね備えた、システムも登場してきた。下図のようにInternetを介して簡単に音声、ビデオを使ったコラボレーションを実現し映像をつかったコラボレーションによって、人と人、企業と企業をIPベースのInternetを経由し結び、ビジネスを加速させていく。ビデオを使ったコラボレーションは音声をも包含するため、テレプレゼンスによってこれまでのコミュニケーション、コラボレーションのあり方を大きく変革させる事が期待できる。

コラボレーションの手段をシンプルに

最後にこういったコラボレーションの仕組みは、ユーザのオペレーションを楽にさせなければならない。これからのシステムは、クラウドサービスでもオンプレミス(自前)でも提供することができ、初期投資を抑え手軽に始めるにはクラウドで良いし、セキュリティポリシーなどを鑑みてオンプレミスで用意するのも良い。提供の仕方もまた多様化してきており選択の幅も広がった。しかし、働き方をどのように変革させたいのかというテーマを忘れ、システム全体としてのサービス提供を考慮せず、機能単体を比較し導入をしてしまうとシステム毎にサイロ化されてしまい、そのオペレーションはユーザを混乱させてしまう。最悪は、折角導入したシステムは利用されず、働き方を変えることができないまますたれていくことになってしまう恐れも含んでいる。

エンドユーザにとって、システム利用のための動作は、一連の流れに繋がっていて分かりやすく、シンプルであるほうが良い。たとえば、今最も注目されているコミュニケーションツールとして、プレゼンスツールがある。このプレゼンスツールの場合、ツールで相手の状態を確認した後に行う行動は、インスタントメッセージでメッセージを送るか、Web会議システムに招待しコラボレーションを取るか、そのまま電話を掛けるか、何かしらのコンタクトを取るというのが、一連の流れになる。であるならば、Web会議のシステムや電話のシステムと連動し、コミュニケーションやコラボレーションの動作につながるようなシステム設計が必要になる。単純にプレゼンスツールの機能のみにフォーカスしシステムを選択すると、こういった一連の流れを阻害しユーザに対して真の利便性、働き方の変革を提供することはできない。どのようにして働くことが自社にとってベストなのかを検討しユーザの一連の流れを作る選択が必要になる。

また、ビデオ会議システムについては、会議室毎に異なる機器を配置していた場合、操作方法が異なるために、ユーザは会議を始めたいのにすぐに始められない事態に陥ることがよくある。時にはケーブルが抜かれていて繋がらない、繋がっても資料が共有できないなどの事態も起こってしまう。管理者側もヘルプコールが入っても、機器が部屋毎に異なるため、何がどうなって発生している事態なのか把握するのに時間がかかり、会議がはじめられない会議システムを提供してしまうことになってしまう。このようにならないために、機器の操作感は統一し、分かりやすく簡単につなげられるようなシステムにする必要がある。当社では、社内のテレプレゼンス導入に当たり、操作感を統一しユーザがケーブルをいじる必要の無いようにシンプルなインタフェースの機器を選択し導入したところ、利用時間が数倍にまで伸び、拠点や地域を跨いだコラボレーションによって社内の活性化と業務の効率化を実現した。

このように、ユーザの運用を考慮しシンプルで効率的なオペレーションを実現することで、システムの利用率があがり、あらゆる効果が生まれることが実証されている。

次回は、ワークスタイルを構成するもう一つの重要な要素であるコンピューティング環境についてのあるべき姿について取り上げる。今やコンピュータは単なる事務機ではなくビジネスを加速させる重要なツールとなっている。反面、情報漏えいなどのセキュリティリスクも発生し如何にセキュアに利便性を高めるかが鍵になる。そのあたりについて数多くの経験値から得た現代のワークスタイルにマッチしたコンピューティング環境を紹介する。

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