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Cisco CMXを社内導入して見えてきたこと

匠コラム
監視/分析
コラボレーション/モバイル

ビジネス推進本部 応用技術部
エンタープライズSDNチーム
丸田 竜一

PCやスマートフォンなどの無線LAN端末の位置情報を分析することで、顧客や従業員の行動パターンを分析する試みが盛り上がりを見せています。今回、弊社ネットワンシステムズ社内に位置情報を分析するCisco Connected Mobile Experience (CMX)を導入しました。導入によって見えてきた、従業員の行動パターンについて紹介します。

1. 無線LANにおける位置情報のこれまで

昨今より無線LAN端末の位置情報を無線LANで計測する機器が存在します。代表的なものとして、Cisco Mobility Service Engine (MSE)が挙げられます。この機器は、無線LAN端末や管理外アクセスポイント、干渉デバイスの位置を可能な限り正確に特定します。セキュリティ上の脅威となる無線LANデバイスや、社内無線LANに影響を与えかねないデバイスを発見・排除するための機器です。

近年、携帯電話網に接続できるWi-Fiルータや、スマートフォンのデザリング、Bluetoothデバイスの普及が進みました。こういった、無線LANに影響を与える可能性があるデバイスが、企業内で使われる例も増加しています。MSEによる位置情報の計測は、そういったデバイスを発見する手助けになることが期待されます。しかし、データ通信が本来の役割である無線LANは、管理者が望むレベルの位置情報の精度を実現できずにいました。

実際の位置と比べて数メートル以上の誤差が出てしまうことも多くあり、発売開始から時間が経過した今でも、正確に位置情報を把握することはできません。これらの理由から、利活用している事例は一部にとどまっています。

2. 位置情報を分析するという考え方

位置を正確に特定できないという欠点を抱えていた無線LANの位置測位を、端末の移動から従業員や顧客の行動パターンを分析するという考え方が出てきました。正確な位置測位はできなかったものの、エリアやフロアという単位では端末の位置を確認できました。

このことを活用し、端末を持つ人がどのエリアへ移ったのか、どのエリアにとどまったのか、初めて来たのか。といったことを分析することが可能になってきています。こういった位置情報の分析により、社内で従業員がどのように動いているのか、店舗に来店した顧客のリピート率はどれくらいか、というデータが得られるようになってきました。

例として挙げた企業内の例では、オフィスのレイアウト変更やフロア配置の参考とすることができますし、店舗ではリピート率や滞在時間から、什器の配置や売り場作りといった店内のマーケティングにおける情報としての利用が期待できます。

3. ネットワンシステムズ社内の例

当社ネットワンシステムズの本社は、東京 丸の内・JPタワーの24~26階に入居しています。打ち合わせや来客に合わせ、フロア間を移動することも多くあります。加えて、本社(JPタワー)以外にも東京エリアにいくつかの拠点があります。従業員は日常的に、丸の内・本社(JPタワー)、天王洲アイル・ファーストタワー(TFT)、勝島・テクニカルセンターを中心として拠点間を移動しています。しかし、その実態は正確には把握されていませんでした。

CMXを利用することで、この日常的な人の移動を無線LAN端末の移動を基に分析することが可能です。

まずひとつめに、ある日の本社(JPタワー)での人の動きを見てみます。

図1:本社(JPタワー)24階への端末(人)の動き

図1では本社(JPタワー)24階にフォーカスして、フロア間の移動を表示しています。直近24時間に移動があった端末は185端末で、そのうち40.5%は25階からの移動、10.3%は26階からの移動であることがわかります。また、24階からは35.7%が25階へ、13.6%が26階へ移動していることがわかります。出入りがほぼ等しい値であるため、24階から他フロアへ移動しても戻ってくる人が多く、その反対に、他フロアから24階へ移動しても、また元に戻る人が同様に多いようです。一方通行にならず、人が偏ることなく循環していることがわかります。

続いて、東京の拠点間での移動を見てみましょう。

図2:本社(JPタワー)24~26階から東京他拠点への端末(人)の動き

図2は本社(JPタワー)24~26階にフォーカスして、拠点間の移動を表示したものです。直近24時間以内に拠点間を移動した端末は28端末で、そのうち21.4%は天王洲ファーストタワー(TFT)からの移動、10.7%はテクニカルセンターからの移動であることがわかります。また、JPタワーからは28端末のうち35.7%がテクニカルセンターへ移動し、32.1%は天王洲ファーストタワー(TFT)へ移動していることがわかります。

流入が少なく、流出が多い結果から、本社(JPタワー)に出社し少し仕事をこなしてから、他の拠点へ移動する傾向が強いことが考えられます。

続いて、拠点ごとの滞在時間を見てみましょう。

図3:本社(JPタワー)24~26階の無線LAN平均接続時間

図3は、あるタイミングでの本社(JPタワー)24~26階にある端末が無線LANに接続している平均時間を表しており、平均2時間8分無線LANに接続していることがわかります。次に、テクニカルセンターでの平均接続時間です。

図4:テクニカルセンターの無線LAN平均接続時間

テクニカルセンターでの平均接続時間は2時間33分です。テクニカルセンターは比較的長時間滞在している端末が多いことが読み取れます。テクニカルセンターは機器の検証を行う施設であるため、検証業務に没頭している従業員が多い傾向があることが想像できます。

4. まとめ

このように、無線LANの位置情報を使うことで従業員の移動と滞在を分析・可視化することが出来ました。
旧来より無線LANを使った位置測位は精度が低いものでした。しかし、低い精度でも行動分析に応用できます。今後さらにスマートデバイスが普及することにより、この分野は今後も成長が期待されるでしょう。社内で稼働しているCisco CMXのデモンストレーションも可能です。ご覧になりたい場合は、是非とも弊社営業までご相談ください。

執筆者プロフィール

丸田 竜一

ネットワンシステムズ株式会社 ビジネス推進本部
応用技術部 エンタープライズSDNチーム
所属

第一級陸上特殊無線技士

無線LANの製品担当SEとして製品や技術の調査、検証評価、及び、提案や導入を支援する業務に従事。
製品担当SEとして6年目を迎え、新製品や新技術の検証評価や社内導入を推進中。

  • 第1回 シスコ テクノロジー論文コンテスト 最優秀賞

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