朝日インタラクティブ様 「EVO:RAIL」でメディア運営の基盤を全面仮想化

企業名 朝日インタラクティブ株式会社 様
■所在地:
東京都千代田区神田神保町3-29-1 住友不動産一ツ橋ビル2F
導入事例 仮想化クラウド基盤導入ソリューション

 ビジネス環境が激変するなか、効率的なインフラの管理とビジネスに貢献するITが重要になってきた。ITとビジネスが一体化しているオンラインメディア業界も同様だ。朝日インタラクティブは昨年、ネットワンシステムズが国内提供するEVO:RAILを導入した。導入の背景と選定の理由を聞いた。

拡大表示

オンラインメディア環境が激変するなか、サービス開発速度を上げる

  CNET Japan、ZDNet Japan、CNN.co.jp、鉄道コムなど、多数のアクセスを集めるWebサイトを複数展開する朝日インタラクティブ。同社は昨年、ネットワンシステムズが提供する「NetOne Integrated System Appliance for VMware EVO:RAIL(以下、EVO:RAIL)」の導入を決め、メディアの基盤を仮想環境への全面移行に取り組んでいる。

 ビジネスを取り巻く環境が変わりゆく中、ITインフラの運用保守コストを削減しながら、ITを使った新しいビジネスを創出することは、どの企業も取り組まなければならない課題になっている。代表取締役社長の相楽剛氏は、経営面での課題をこう指摘する。「メディア運営そのものが時代の転換期に入っています。100%株主である朝日新聞社も、インフラにかかる固定費を削減しつつ、ニーズにすばやくこたえられる仕組みの構築に取り組んできました。ITそのものが事業の基盤ともなるWebメディアでは特にそうです。サービス開発の効率を上げ、競合との違いを出しながら、求められるサービスをスピーディーに提供していくことが求められています」

 朝日インタラクティブのWebメディアは、すべて自社運営だ。技術部では、サーバの管理・運用から、各Webメディアが実行するWebアプリケーションの開発・保守などを担当。さらに社内外のアプリケーション開発以外にも、社内情報システムや機器の管理・運営・保守も行っている。人員は5名体勢(2015年3月時点)だ。

 少人数での管理体制による運用負荷の高まりが課題となっていた。物理ハードウェアによるシステムとしての柔軟性の乏しさから、アクセス数の急増にこたえるための管理や保守の負荷が非常に高まっていた。こうした課題は、新しいサービスを開発することの障害にもなっていた。インフラを担当している技術部のサブマネージャー、菊池高志氏は、次のように説明する。

「従来は、新しい機能やサービスの開発を検討するたびに、サーバを調達し、開発環境を整えるといった必要がありました。社内稟議や機器選定、環境構築に時間がかかるので、開発時間をロスすることが多かったのです」

Webメディア事業は運営サイトを止めない高い可用性だけでなく、突発的なアクセス集中や日々追加される新機能などに耐えられる拡張性が不可欠だった。物理環境では、そうした拡張性を実現することが難しかったという。

普通に仮想化導入するよりも高いROIが期待できる

 いかに運用保守コストを下げ、開発スピードを上げるかが課題になってきた。技術部ディレクター 兼 シニアマネジャーの石澤知広氏は、こう指摘する。

「各スタッフがそれぞれ専門を持ちつつ、全員でインフラからフロントサイドまでをカバーする体制です。既存のサービスを安定して運用できるようにするとともに、新しいサービスをすばやく提供していけるよう、より効率的に仮想環境を構築できる基盤を探していました」

しかし、仮想マシンの管理の手間が増えるケースがあり、さらに、仮想基盤の運用管理の作業も必要になってくる。「実際、仮想化の検討は2年前から開始していたものの、特定の製品の採用には至りませんでした」と菊池氏は振り返る。単に仮想化しただけでは運用管理の負荷やコストが目立って減ることはなかったのだ。EVO:RAILが登場したのは、そんなときだった。

「EVO:RAILは、こうした仮想化の課題も含めて解決してくれるソリューションでした。ハードウェアと一体となったアプライアンスであるため、簡単に導入できます。管理ツールも使いやすく、運用負荷を下げることが期待できました。EVO:RAILを使わずに仮想基盤を構築するよりも15~20%高いROIが望めることがわかったのです」(石澤氏)

運用負荷を削減し、開発スピードを40%高速化

 運用負荷とTCOという課題については、大きな効果を上げている。石澤氏によると、試算したROIは、固定資産となるハードウェアコストを4年間で積み上げたものだ。当初想定していた仮想基盤の概算費用などすべて加え計算してみたところ、2年目からコストメリットが出てきて4年間トータルでは大きなコストメリットが見えたという。「サーバ台数を約半減させ、現在契約しているラック本数を1本減らすことができることがわかりました。運用負荷の削減や、運用管理コストを含めたトータルコストを含めれば、削減幅はさらに高まります」(石澤氏)

運用負荷の低減については、導入のしやすさと運用のしやすさがポイントになっている。たとえば、仮想マシンの作成もテンプレートを使って、コピーしていくように簡単に作成するだけで済み、機器の設置も短時間で完了した。「物理サーバを調達し、セットアップする場合とは比較にならないほど簡単です。仮想マシンにOSのインストールを行ったときには、意外なほどあっけなく終了してしまいました」(菊池氏)

 注目すべきは、通常の方法で仮想環境を構築するケースよりも高い効果を挙げていることだ。「EVO:RAILを利用しない場合は、仮想基盤向けの機器を調達し、セットアップを行って、仮想マシンを移行していく作業が必要です。そうした一般的な仮想環境と比較して、感覚的には、運用負荷が3割ほど削減できています」(菊池氏)という。

 開発スピードやスケーラビリティの確保という点でも、EVO:RAILは大きな効果を上げている。もともと同社では、不定期に発生する社内の営業部、編集部などからの機能要求に答えるため、毎年ある程度の予算を確保して高スペックなサーバへのリプレイスを行い、余剰のシステムリソースを確保するようにしていた。それでも厳しい要求が発生することはあり、パブリッククラウドやレンタルサーバを選択し、アプリケーションを工夫するなどしてやりくりをしてきた。

「そうした苦労がほぼなくなったことは大きいです。サーバのサイジングや検証などが不要になったことで、開発プロジェクト全体の3~4割を迅速化できる見込みです。インフラ管理にかかっていたリソースをうまく使い、自由にスケールできるようになったことで、ビジネスへの貢献もできるようになりました」(石澤氏)

ネットワンシステムズとの信頼関係が成功のカギに

  既存サービスの安定稼働という点で、新製品で実績がなかったことが一つ懸念材料とされたものの、特別に問題視されることはなかった。相楽社長自身が過去にVMwareの採用に携わった経験があったことや、石澤氏や菊池氏自身がVMware製品のユーザーとして信頼性を評価していたためだ。また、ネットワンシステムズとのそれまでの関係も大きかった。ネットワンは、かねてから朝日インタラクティブのネットワーク構築や機器の保守に携わっており、同社のシステム環境を熟知していた。「ネットワンにまかせれば安心といったいい関係を築いていました。EVO:RAILについても、我々が抱えていた課題をよく理解したうえでの提案で、上がってきたときもほぼ即決でした」と、相楽氏は振り返る。

 石澤氏や菊池氏も、日頃からネットワンの担当者からアドバイスを受け、信頼関係を築いていた。たとえば、仮想環境を構築する際にかかる費用の見積もりや、実際の課題、効果的な設定などをアドバイスしてもらい、仮想基盤構築のタイミングをはかっていたという。

 朝日インタラクティブでは現在、Webメディアの運営に利用しているWebサーバやWebアプリケーションサーバをEVO:RAILに順次、移行している状況だ。半年ほどかけて、36台のサーバーマシンをすべてEVO:RAILに移行させる予定となっている。

 今後の取り組みについては、「まずは、EVO:RAILをきちんと生かし、ネットワーク仮想化などにも取り組んでいくつもりです。データベースなど高いI/Oが求められる機能は、いまのところ、物理環境にする予定ですが、今後は、ストレージやネットワークを含めたデータセンター自体の仮想化も視野に入ってくると思います。将来的にはDRにも取り組んでいこうと思っています」(石澤氏)と話す。

 ネットワンシステムをパートナーとした仮想基盤での取り組みが進み、ユーザーに対して新機能や新サービスを提供できる日もそう遠くはないだろう。

概要図

拡大表示
Webからのお問い合わせ、ご質問はこちらから
お問い合わせ窓口へ
pagetop