東海地方初! 基幹ノードで100ギガビットイーサネットを実現。ペタバイト級のデータ転送を支える自然科学研究用超高速ネットワークが誕生。

複数拠点全域に無線LANと動的VLANを整備することによって、利用者はどこにいても自身のネットワーク環境に接続可能に

機構名 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 様
所在地:東京都港区虎ノ門4-3-13 神谷町セントラルプレイス2F
事業内容:多様な自然科学分野における世界最高水準の学術研究と先端的な学術新領域の開拓
導入事例 ネットワーク高速化/サーバ仮想化ソリューション
課題 自然科学研究機構の3研究所が集まる愛知県岡崎市に立地する岡崎3機関には、ORIONと呼ばれるネットワークが敷設されている。研究所内外のさまざまな研究用システムを結んでいたが、近年、システムで扱うデータ容量がときにペタバイト級になり、大幅な広帯域化が不可避になっていた。
選択理由 求める要件をもとに競争入札を行った結果、基幹ノード装置に100ギガビットイーサネットを実現するBrocade製品を提案するなど、ネットワークニーズを十分に読み取った意欲的なシステムを提案し、ネットワンシステムズが選定された。
効果 2012年3月、東海地方の研究機関ではトップクラスを誇る基幹ノード100ギガビットの超高速ネットワークが誕生。また、無線LANと動的VLANの全域化で研究環境が大幅に向上、仮想化推進により管理工数が低減するなど、ICTの先進機能を享受可能なネットワークとなっている。

重要な研究課題を先導的に取り組む研究者コミュニティーの中核拠点

 自然科学研究機構は、国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所の5研究機関から構成される大学共同利用機関法人です。同法人は、重要な研究課題を先導的に取り組むため、また未来の学問分野を切り拓くため、全国の国公私立大学などの研究者に共同利用、共同研究の場を提供、研究者コミュニティーの中核拠点として運営されています。

 なかでも愛知県岡崎市に立地する岡崎3機関には基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所が集積しており、国内外からノーベル賞をもめざす第一線の研究者が、最先端の研究設備を利用すべく、また所属組織の枠組みを超えた研究活動を展開するべく、一年を通して来訪します。

大容量データの転送ニーズに応えるため、岡崎3機関ネットワークの刷新を推進

 岡崎3機関の研究拠点には、ORIONと呼ばれるネットワークが敷設されています。このネットワークの最大の使命は、さまざまな研究用システムを研究所内外でスムーズに連携させることですが、近年、どの分野もデータボリュームの増大が進んでいます。たとえば、分子科学研究所の計算科学研究センターでは、数テラバイト級の計算結果データを扱うグループが約100グループあり、1000万原子系の計算機シミュレーションは、1回あたりデータ圧縮を施してもその容量はペタバイト級になるといいます。そのようにデータが大容量化しているため、ネットワーク転送が現実的ではないと、オフラインでやりとりするケースも生じていました。

 一方、自然科学研究機構は共同利用の場であるため、システムやネットワークは外部の利用者に広く開かれている必要があり、それでいて人類や地球の未来に関わる重要な研究成果を守るため、セキュリティは厳重に保たねばなりません。

岡崎情報ネットワーク管理室
大野 人侍 氏

 岡崎3機関では2010年、ORIONネットワークに対してこれまで内部予算で工夫しながらマイナーメンテナンスを続けてきたが、「ORION2011プロジェクト」として大幅な増強を図ることを決断しました。大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 岡崎情報ネットワーク管理室 大野人侍氏は、掲げた目標を次のように語ります。
 「研究用システムがどれだけ進化したとしても、ネットワークがそれにキャッチアップしていなければ、研究の足をひっぱることになってしまいます。それはなんとしても避けたく、このタイミングで各研究所からいつ求められても必要な帯域や機能が提供できるよう、万全な体制を整えたいと考えました」

 プロジェクトの大きなコンセプトは5点です。1つめは、基幹ネットワークは従来の1ギガビットから10ギガビットに増強すること。2つめは、一部で導入されていた無線LANを全域に敷設し、動的VLANの整備と併せて利用者がどの拠点にいても同じ環境で作業ができること。3つめは、老朽化が進んでいたサーバ群をリプレースして仮想化すること、4つめはファイアウォール機能を高度化させてセキュリティ管理の粒度を上げること。5つめは、これまで10ギガビット回線を集線利用していたものの、想定通りのパフォーマンスの出なかった岡崎3機関内の2主要拠点間接続を1回線で数十ギガビット以上とすること。岡崎情報ネットワーク管理室は、これらの要件を仕様書にまとめ、競争入札を行いました。

高い価格競争力と技術力でネットワンシステムズが受注

 その結果、ニーズに合致した技術レベルの高いシステム提案を行って受注したのがネットワンシステムズです。具体的には、岡崎3機関内の2主要拠点間接続の基幹ノード装置にBrocade MLXeシリーズを用い100GbEモジュールによって超高速ネットワークを構成するとともに、幹線冗長化のために10GbEも同じシャーシに収容しています。また端末側でも10ギガビットを利用可能にし、ネットワーク認証機能も利用可能な日立電線のApresia15000-32XLを選定しました。セキュリティ面では、アプリケーションやユーザ単位で識別や制御が可能なファイアウォール製品としてPalo Alto Networks PA-5060を採用しました。

 また、サーバ群においてはネットワーク認証システムやwebサーバ、DNS、メールサーバなどをVMware仮想環境上で稼働させ、仮想化ストレージにはEMC VNX 5300を用い、バックアップ装置として重複除外機能が利用可能なEMC DataDomain 630を選定しました。

分子科学研究所
計算科学研究センター 技術主任
内藤 茂樹 氏

 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 分子科学研究所 計算科学研究センター 技術主任 内藤茂樹氏は、選定の理由を次のように語ります。
 「ネットワークに関しては、仕様書に必須項目と加点項目を設けて応札を依頼したのですが、そこからこちらのやりたいことをしっかり読み取った、意欲的な提案内容だったと思います」

 大野氏は内藤氏を補足して次のように語ります。
 「実際のORION2011構築時に現場で接したネットワンシステムズ技術者は、知識や技能が高いばかりではなく、問題発生時に迅速に解決するとともに、岡崎3機関の立場に立って予防措置を積極的に提示してくるなど意識も高く、時間が限られた構築作業においてかなり助けられました」

分子科学研究所
計算科学研究センター 技術職員
松尾 純一 氏

 一方、システム導入過程でのエピソードを、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 分子科学研究所 計算科学研究センター 技術職員 松尾純一氏はこう語ります。
 「ネットワーク機器に精通した専任SEが担当してくれて、作業中、こちらから何か質問すると即座に詳しい説明が返ってくるし、業務の範囲を意識することなく技術的な相談にも気軽に乗ってくれるので、とても勉強になりますね」

東海初、日本でも3指に入る超高速100ギガネットワークが誕生

 「ORION2011」は、2012年3月に無事本番稼動を果たしました。基幹ノード装置に100GbEモジュールを採用したことにより、東海地方の研究機関および大学ではトップクラス、日本全体を見渡しても3本の指に入る超高速ネットワークが誕生しました。また、動的VLANと組み合わせて全域が無線LANでカバーされたことにより、3研究所を利用するユーザの利便性も大きく向上しました。岡崎情報ネットワーク管理室では、秋の学会シーズンを控えた夏あたりから各研究所でのネットワーク利用が本格化すると見ており、現在「ORION2011」は真価発揮の時を今や遅しと待ち構えている状況です。

 管理という側面では、システム仮想化を進めたため、従来は煩雑な作業を余儀なくされていたサーバやストレージ作成が容易になり、管理工数が低減されました。

 また、今回のプロジェクトでデータセンター的な機能を備えたといえ、サーバ、ネットワークとともに大きな余裕が生まれたため、これまで各研究所内で管理されていたる研究システムの一部を移管することも可能になっています。

 世界に誇る日本の自然科学研究最前線を、先進ICTテクノロジーで支えているのはネットワンシステムズでした。

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