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Webex CallingとCUCMのハイブリッド接続をしてみた。

ライター:小田中 俊博
ネットワンシステムズに入社以来、コラボレーション製品担当として、顧客へのコミュニケーション環境の構築などに従事

目次

はじめに

今回のブログでは、Webex CallingCUCMのハイブリッド構成の設定について紹介したいと思います。

クラウドPBXを導入することはできても、実際の電話の環境内容によってはオンプレミスPBXを継続する必要があり、すべてをクラウドに移行することはできないというような事情もあると思います。その際、クラウドPBXとオンプレミスPBX間の「内線通話」や、場合によってはクラウドPBXからオンプレミスにあるPBXを経由して「外線通話」を実施しないといけない場合もあります。

今回は、そのような「クラウドPBX」と「オンプレミスPBX」のハイブリッド構成のケースについて記載したと思います。

検証構成 ~Webex CallingCUCMのハイブリッド構成~

今回は以下の構成で検証を行いました。

Webex Callingはクラウドにあり、CUBECatalyst 8200)を利用して、クラウドとオンプレミス(今回はCUCMを利用)を接続するためのコンフィグレーションを設定します。

現在、CUBEとして利用できるLocal GWは以下の機種となります。

機種

備考

C1000シリーズ

ISR4000シリーズ

2023/2/20現在 End of Saleアナウンスあり

Catalyst 8200シリーズ

CSR1000v

機種については、連携をするCUCMのバージョンなどのコンパチビリティがありますので機種の選定、利用するバージョンなどはメーカーのHPなどでよく確認してください。

設定について

ここで簡単に設定に触れます。

内線発着信、外線発着を実施するためにクラウドとオンプレミスのルーティング(主に番号情報)の設定が必要となります。

<Webex Calling(Webex Control Hub)の設定>

  • Local Gatewayの登録
  • Trunkの設定
  • ロケーションルーティングプレフィックスの設定

<CUCM側の設定>

  • SIP Security Profileの設定
  • SIP Profileの設定
  • SIP Trunkの設定
  • Route Patternの設定

  • CUBEの設定

オンプレミスとクラウドを接続するためのコンフィグを投入します。

詳細は以下のページを参考に詳細設定を実施します。

Webex Callingローカルゲートウェイの設定

注意事項

ここで利用する上での注意事項を記載します。構成により必ずしも該当するということではありませんのでご注意ください。

  • 外線発信時におけるロケーションの選択

Webex CallingからCUCMを経由し外線発信を行う場合の注意として、発信元のGW(ローカルのGW)を選択・設定しなければなりません。

例として、全国に利用者がいる場合には、「大阪の利用者は大阪のGW」から、「東京の利用者は東京のGW」から発信する必要があります(ローカルのGWからの発信)。仮に、大阪の利用者が東京のGWから発信できてしまうと「発信者番号が東京になる」など、間違った情報を先方に送ることになります。

それを解決するためにちょっとしたTIPSを紹介いたします。

Webex CallingCUBEを接続する設定は1つのため、CUCMまたはCUBEWebex Callingからのコール情報(発信者情報)をもとに振り分ける方法です。

 

 

CUCMにある「発信者番号に基づいた発信設定」をする機能を実装することで対応ができます。

発信者番号をマッチ(内線1000番は東京拠点のAさん)させることで東京拠点の人は東京のGWから、大阪拠点の人は大阪のGWから発信させることでこの悩みを解決することができます。

ただし、大規模な人数や、契約している外線番号情報が多い場合、設定が煩雑となりかなり運用の手間もかかります。

せっかくクラウドPBXを導入にしたにもかかわらず、オンプレミスの運用と手間がかわらず、クラウドPBXを導入したメリットがなくなってしまいます。

  • 緊急通報の発信規制について

クラウドPBX利用時は110/118/119などの緊急通報の番号にダイヤルすることができません。

クラウドPBXは導入すると便利でInternet経由で電話をどこからでも発信可能ですが、位置情報を把握することができないため法律で規制されております。

技術的には発信ができてしまうため、設置している音声GWなどで発信を禁止とする設定を行う必要があることにご注意ください。

また、CCPを利用している場合では通信キャリアで制限をかけております。(※参考 Webex Callingを利用した緊急通報について )

  

  • 外線利用時の注意点

今回の構成のように、クラウドからオンプレミスを経由した外線の発信についても外線番号を利用していることを証明するための電話回線の契約情報の提出などが必要となります。

クラウドPBXのみの場合と同様ですが、緊急発進の規制と同様に法律で定められておりますのでご注意ください。

回線サービス提供会社によって申請に必要な情報が異なりますので、必要な場合は回線業者などへ問い合わせを行う必要があります。

さいごに

いかがでしたでしょうか。このようにオンプレミスの資産を有効活用することでクラウドPBXとオンプレミスPBX間の相互接続が可能となります。

今回はCUCMで紹介しましたが、CUCM以外の3rd Party PBXでもT1などのモジュール接続により相互接続は可能となります。どうしてもクラウドPBXのみでは導入できない場合の1つの検討材料となれば幸いです。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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