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VMworld USの歩き方

ライター:奈良 昌紀
通信事業者のデータセンターにおいてネットワーク・サーバー運用を経験した後、ネットワンシステムズに入社。帯域制御やWAN高速化製品担当を経て、2008年から仮想化関連製品を担当。現在は主にクラウド、仮想インフラの管理、自動化、ネットワーク仮想化を担当。

目次

VMworldはVMware社が毎年アメリカとヨーロッパで開催している年次イベントです。今年のVMworld USは8月25日〜30日の5日間に渡ってサンフランシスコのMoscone Centerで開催されました。毎年VMware社の戦略や新しい製品・サービスが発表されますが、今年の発表の目玉は、Project PacificやVMware Tanzu等コンテナ/Kubernetesに関するものでした。発表内容の詳細に関してはすでにニュースサイト等で取り上げられています(以下のリンクをご参照ください)ので、今後VMworldに参加される方のために、参加する際のTipsや会場の雰囲気をお伝えします。(記載内容は2019年9月の情報です。今後内容は変更される可能性がありますので、ご自身の責任でお役立てください。)

事前準備

参加登録

VMworldに参加するにはVMworldのサイトにユーザー登録した上で、レジストレーション(参加登録)が必要です。今年の参加登録は5月から開始されており、6月21日までに登録すれば早期割引制度(Early Bird)が適用され1,895ドル、これ以降は2,195ドルでした。また、過去に2回以上VMworldに参加した方であれば、更にAlumniとしてディスカウントを受けられます。
VMworldのサイトではレジストレーションと同時にホテルを予約することも可能です。サンフランシスコは物価が高いことで有名ですが、ホテルも高額です。とくに、Moscone Centerでイベントが開催されると、周辺ホテルの宿泊費も高騰するため、かなりの費用になります。VMworldサイトからホテルを予約すると比較的安価に予約することができます。

会期中のスケジュール

参加登録が終わったら5日間の会期中の予定を立てましょう。初日はパートナー向けのセッションが中心なので2日目から参加される方が多いようです。会期中の主なアクティビティは以下のものになります。

  • General Session : 非常に大きな会場に参加者が集まり、VMwareのCEOやCTO、開発責任者などからVMware社の戦略や、新しいプロダクトが発表されます。会場の入り口で同時通訳レシーバーを貸し出していますので、英語が不安な方も安心です。
  • Breakout Session : VMworldのメインのアクティビティです。特定のテーマに関して、VMwareの社員やカスタマー、パートナー等からプレゼンテーションやデモが行われます。1セッション60分で行われます。
  • Showcase Keynote : 今年はShowcase Keynoteというカテゴリのセッションがあり、形式はBreakout Sessionと同じでしたが、General Sessionの発表内容を掘り下げて説明してくれるという有用なセッションでした。
  • Hands-on Lab : 会場内でVMwareのプロダクトを触って試すことができます。様々なコンテンツが用意されており、シナリオに従って自分のペースですすめることができます。例年VMworldのタイミングで新しいコンテンツが提供されます。まずは触ってみたいというエンジニアの方にお勧めです。
  • Solution Exchange : 展示会場です。多くの企業がブースで自社製品を紹介しています。日本ではあまり馴染みのない企業も多く出展しています。また、日本法人のある企業のブースでは日本人の方が対応してくれる場合もあります。
  • VMworld Fest : 4日目の夜にパーティーが開催されます。アーティストによるライブが行われ、飲み物や食べ物が提供されます。今年はミュージシャンのOneRepublicとBilly ldolのライブが行われました。


General SessionとVMworld Festの様子

開催が近づくと、VMworldサイト上でScheduler Builderが使えるようになり、Breakout Sessionの登録が可能になります。興味があるキーワード、カテゴリで検索してセッション登録しましょう。Breakout Sessionは満員になって登録できない場合がありますが、予約できない場合も現地で開始時間に待機列に並んでいれば、セッションを聞く事が可能です。Breakout Sessionの会場は複数の建物に分散しているので、ある程度移動に余裕を持ってスケジュールをたてるのが良いでしょう。ただ、前のセッションを早く抜けて、次のセッションに向かったり、遅れて入ったりすることもできるので、それほど気にしなくても良いかもしれません。

また、General Sessionで新しく発表される内容を受けてBreakout Sessionのタイトルが変更される場合があります。General Session後に自分のスケジュールをもう一度見直すと、発表された内容の詳細をBreakout Sessionで聞くことができるチャンスがあります。現地で柔軟にセッションスケジュールを組み替えるのがとても大切です。

モバイルアプリ

  • VMworldアプリ : 会場内で、セッションのスケジュールや会場の場所を確認するために専用のモバイルアプリが提供されます。会期中になくてはならないものなので、必ず事前にインストールしておきましょう。会場ではWiFiが利用できるので海外ローミングできなくても問題ありません。今年は会場の一部で停電があったため、アプリで参加者に状況が通知されていました。
  • 無音カメラ : プレゼンテーションの写真を取りたい方も多いと思います。現地の方も写真を撮っていますが、日本のスマホはシャッター音がします。プレゼンターが説明している中のシャッター音は結構目立ちますので、他の方に迷惑がかからないよう、無音カメラをインストールしておくと良いでしょう。
  • 配車サービスアプリ : 最近は配車サービスを利用する方が多いと思います。現地での移動のためにアプリをインストールしてユーザー登録しておくとよいと思います。

持ち物

VMworldは例年8月の最終週に行われます。この時期の日本とは違って、サンフランシスコはかなり過ごしやすいです。(Wikipediaによれば8月の平均気温は最高気温22℃/最低気温13℃)日中の屋外であれば、長袖のシャツ1枚でちょうど良いくらいです。しかし、海外のカンファレンス会場はとにかく寒いです。ジャケットやパーカー等を数枚持っていくことをおすすめします。また、参加者の多くは、ジーンズにTシャツ、パーカーといったカジュアルな服装で、日本のようにスーツを着た参加者は非常に少数です。また、日中セッション会場を移動するために、結構歩くことになるので歩きやすい靴がおすすめです。

現地に着いたら

空港からのサンフランシスコ市内への移動

日本からサンフランシスコ国際空港に到着した場合、タクシーは到着ロビー階から乗ることができます。配車サービスを利用する場合は出発ロビー階に上がり、外に出ると配車サービス向けに複数の専用車寄せがあります。車寄せの番号を確認して配車を依頼しましょう。

会場でのレジストレーション

会期中は首から下げるバッジを身につける必要があります。ホテルにチェックインした後、会場に行ってバッジを受け取りましょう。今年はモバイルアプリに表示されるQRコードを使ってレジストレーションし、身分証明書としてパスポートを提示すると、バッジを受け取ることができました。このバッジは再発行に100ドルかかるので無くさないよう十分に注意しましょう。また、毎年参加者は全員VMworldオリジナルバックパックをもらえます。バックパックに抵抗がある方が多いかもしれませんが、参加者の多くはこのバックパックを背負って会場内を歩いています。使いやすいものなので、私も毎日使っていました。

食事

参加費用には朝食と昼食の費用が含まれており、会場内で朝食と昼食を食べることができます。会場で提供される食事にはあまり期待しないほうがよいです。(個人的な感想です)昼過ぎにはおやつも提供されます。夕食は好きなところに食べに行きましょう。


参加者がもらえるバックパックと会場の昼食

帰国後

以前は各Breakout Sessionは現地でしか聞くことができませんでしたが、現在はVMworld終了後にほぼすべてのBreakout Sessionが動画で公開されます。もしセッションの見直しが必要な場合は、VMworldサイトから動画を確認することができます。ただし、一部セッションは動画が公開されない場合があるので注意が必要です。VMware社所属のWilliam Lam氏は、毎年動画のリストをGitHub上でまとめてくれていますので、来年も期待できると思います。

VMworldは来年も同じ会場で8月30日から9月3日にかけて開催される予定です。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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