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データ活用実践 - 自律型ネットワーク①

ライター:片野 祐
ネットワンシステムズに新卒入社し、PF, NW, SW, AIといった様々な製品、技術の担当として技術検証、提案導入支援、データ分析等を行ってきた。その後、よりお客様に近い立場でSW開発支援や自動化技術を中心とした案件推進活動を実施。現在は自動化技術を中心に扱うチームで製品担当やソリューション開発に従事。

目次

数年前からデータに注目して活用の検討を進め、社内にあるいくつかのデータを使ってデータ分析を行ったり、機械学習の基礎を学んできました。どちらかというとこれらの活動は、データをどのように使っていくかを見極めるために進めていましたが、いよいよ弊社が得意としているネットワークを対象にしたときに、いくつか新たに検討すべき内容がありました。今回のトピックスは以下の3つです。

  • ネットワークから得られるデータの活用
  • ネットワークの自律化に向けたデータの取得
  • 全体の自律化に向けた、部分的な自律化

ネットワークから得られるデータの活用

最近注目している技術の一つが “Telemetry” です。(※Telemetryについての細かい内容は、ブログ最後で紹介している匠コラムをご参照ください。)最近はMachine LearningやDeep LearningといったAI関連の技術動向の情報収集や、データアナリティクス、それを支えるデータプラットフォームを自分のコアの領域としていましたが、ネットワークにAIを取り入れる際には、あらためて “データ” に注目する必要があります。Telemetryを使ってデータを取得し、どうやって活用していくかを検討しました。このブログでは、取得したデータをどのような目的で使っていくのか、検討した一部を共有したいと思います。

ネットワークの自律化に向けたデータの取得

Telemetryを活用して行いたいことの一つが “自律型ネットワーク” を作ることです。

fig1-1

【図1 自律化ネットワークの構成図】

人間の手を介さなくても、ネットワークが自律的に適切な環境を保つことを最大の目的にしています。この自律型ネットワークにより、問題が発生してから解決に至るまでの時間が減ったり、運用コストが減ると考えています。しかし、すぐに自律型ネットワークを作れるわけではなく、実現に向けていくつかのステップを踏む必要があります。そこで重要になるのが “データ” です。いくら夢のようなシステムを思い描いても、どれだけ素晴らしいアルゴリズムがあっても、データの量や質が悪いものであれば良いシステムは生まれません。そのため、今ネットワークを流れているデータがどのようなものであるかきちんと把握し、足りないデータは新たに取得したり、計算する必要があります。まずは取得したデータを可視化、分析しながらさらに必要なデータを集める、ということを繰り返していきます。

全体の自律化に向けた、部分的な自律化

データが集まってきたら、まずは部分的に自律化を行います。自律化による設定変更のトリガーはステータスの変化によるものもあれば、閾値、機械学習による異常検知等、さまざまあります。最初は完全な自律化ではなく、人間の判断をあえて入れる、という選択肢もあると思っています。通知によって人間が手を動かし、設定変更を行うという運用が最初は現実的かもしれません。むしろ設定変更の判断は人間が行いたいという声もよく聞きます。最近、AI関連のイベントやセミナーでも、すべてをAIに任せるというよりも、「AIと人間の協業」であったり、「人間を助けるAI」というようなメッセージが多くあるように感じます。だんだんと人間を介さなくても正常な状態を保つネットワークを部分的に作っていき、それが全体に行き渡ることで、完全な自律化が達成されるのではないでしょうか。

fig1-2

【図2 部分的な自律化が全体の自律化をつくる】

今回のブログで挙げた内容について、弊社では技術検証を行っています。これらのTelemetryや自律型ネットワークの取り組みについて、詳細に書かれた匠コラムがあるので、興味のある方は併せてご覧ください。(こちらのシリーズ)

今回の記事では自律型ネットワーク実現のために、ネットワークを流れるデータにフォーカスをしましたが、その他にも見るべきポイントがありました。それについては次回以降の記事で紹介していきます。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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