2006年
企業の危機管理対策セミナー~BCM/BCP構築ノウハウ~
災害対策に求められるデータの"eternity"とシステムの"agility"

NWテクノロジー本部 ネットワークストレージ事業開発部 部長
中山 晴之
Profile
2002 年1月、ネットワンシステムズ株式会社入社。前職でのサーバ製品、ネットワーク製品の開発経験をもとに、同社のサーバビジネス、ストレージビジネスの立ち上げに従事。2003年から 2005年の 3年間、Interopの iSCSIに関するワークショップの講師を担当。
■RTTが原因の性能限界には、SkyX Gatewayが有効

データもコピーが重要です。たとえば、A地点からB地点にデータを転送するとします。しかし、太い回線を用意してもパフォーマンスが出ないことが少なくありません。原因はいろいろですが、転送プロトコルであるTCP/IPに原因がある場合があります。
TCP/IPの限界値は、最大Windowsサイズ/RTT(ラウンドトリップタイム:往復時間)で、それをグラフ化したのが次の図です。つまり、RTT が20msの場合は、どんなに帯域を太くしても約25Mbpsしか出ません。では、RTTを短くできないのでしょうか。その限界が「光速の拘束」です。光速より高速にはデータ転送はできないのです。
これを解決するには、RTTに影響を受けないソリューションを利用するしかありません。HTTP、FTP、ディザスタリカバリのように、ある地点から別の地点へ、大量のデータが一方的に流れるような場合の高速化には、PACKETEERの「SkyX Gateway」が有効です。
■SkyX Gatewayの特長と効果、活用例
次のグラフは当社内での検証結果です。ローカルエリアでは約40Mbps出ていたデータ転送が、RTTによって、これだけ転送速度が落ちたのですが、SkyX Gatewayを入れることで、ローカルに近い性能を出すことができました。先ほどご紹介したTCPの理論的限界値をも超える値を出しています。

SkyX Gatewayは、カブドットコム証券株式会社様でもご利用いただいています。同社は、2006年9月15日に夜間取引市場“kabu.comPTS”を開設されました。このシステムは、福岡のデータセンターにあり、東京にある株取引システムとのデータのやりとりが必要でした。そこで、東京と福岡を2本の 1Gbpsの回線で結びましたが、RTTにより20?30Mbpsしか出ないという事態に陥りました。そこで、SkyX Gatewayを導入。約10倍の300Mbpsまで性能を上げることができました。
また、SkyX Gatewayは、iSCSIと組み合わせると高い効果が得られます。Windowsサーバの外付けディスクとして有効なiSCSI製品「EQUALLOGIC」でレプリケーションをする場合、RTTが20msの場合には普通に使うと25Mbpsしか出ませんが、SkyX Gatewayを利用することで、80Mbpsまで高速化が可能です。
■他社のディザスタを業績アップに結びつける

そうはいっても、システム増強には手間がかかります。需要を予測して適切にシステムの増強を行うことが重要ですが、需要予測自体が非常に難しい。特にストレージは、近年ハードディスク単体の容量が非常に大きくなったため、性能と使用効率のバランスをとることが困難になりました。性能はハードディスクを並べれば並べるほどでるのですが、そうすると容量が多すぎて使用効率が悪くなってしまうのです。この問題は3PARdataの「InServ」を使用することにより解決できます。
3PARdataの「InServ」は、ハードディスクを256MBのChunkletという仮想ハードディスクに細かく分割することにより、ハードディスクの容量増加に伴う弊害を取り除き、性能と使用効率のバランスを容易にします。また、Thin-Provisioningという機能を使うと、必要な時に必要な量だけを割り当てるので、プロビジョニングそのものが不要になり、あらかじめ需要予測をする必要がありません。
以上、ストレージのプロビジョニングについてご紹介しましたが、ネットワンシステムズでは、LAN接続やサーバについても今後ご紹介していく予定です。ご期待ください。

