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Road to 100G - 100G インフラを導入するメリット

匠コラム
ネットワーク

ビジネス推進本部 第1応用技術部
コアネットワークチーム
松井 裕二

今や生活に無くてはならない携帯電話、スマートフォン/タブレット、PCによるインタネットアクセスや企業におけるクラウドの利用は、普段、我々が意識する事の無い、光通信によって支えられている。
その光通信は今、更なる高帯域インフラ(10Gから100Gへ)への更改が始まっており、最近のキーである100Gについて、インフラを導入する観点よりお伝えする。

連載インデックス

光トランシーバと伝送容量

今、光通信に利用される商用インフラ設備が変わろうとしている。(単一の伝送容量が10Gから100Gへの移行期。)
10G伝送の光トランシーバ(XENPAK、XFP、現在はSFP+)が一般に普及し始めたのが、今から遡る事、15年前(2000年頃)。
通信キャリアの伝送ネットワークでは、1本の光ファイバに、信号を複数本束ねる(WDM:波長多重)ことで、伝送容量の拡大を図っているが、今や数T(テラ)ビットの帯域を拠点間に確保する時代となっている。

100Gを収容する光トランシーバ(CFP:C Form-factor Pluggable)も、汎用的に普及(CFPからCFP2、CFP4へ移行)してきており、通信キャリアのみならず、一般の企業内ネットワークや、データセンタ事業者への導入も始まり、次世代へ向けたインフラ整備が着々と進んでいる状況にある。

引用元:The CFP Multi-Source Agreement http://www.cfp-msa.org/

伝送容量を拡大する光ファイバ通信技術とメリット

従来(10Gビット/秒以下)の光通信システムでは、強度変調/直接検波(※)の技術を使い、それぞれの信号(光)を束ねて(波長多重)、伝送容量の拡大を図っていたが、100Gビット/秒では、この技術に変わるディジタルコヒーレント(偏波多重)と呼ばれる通信技術が採用されている。
この方式は、送受信の回路に設けるデジタル信号処理(DSP)により、光をXとYの偏波に分け、異なる位相で多重伝送するもので、長距離伝送で歪んだ光の特性を、受信端にて電気的に補償するようにしている。

これにより、従来、長距離伝送する際、数十キロ毎の中継区間で必要であった、波長分散補償器(DCF)が不要となり、機器の削減やファイバ遅延を減らずメリットが生まれる。また、伝送経路設計も従来に比べ容易となり、且つ100Gビット/秒を1波長で伝送出来る為、WDMによる伝送容量拡張(一例として、100Gビット/秒×80波長⇒8Tビット/秒)、且つコスト(運用コスト、増設時の設計コスト、保守部品など)の削減にも繋がり、関係する業界は注目している。

但し、これは、ディジタルコヒーレント技術のみが適用されたネットワーク通信に限定される。従来からの伝送容量である、10Gビット/秒以下の通信と共にWDM伝送する場合は、強度変調の信号とコヒーレント信号がファイバ上に共存することになり、光の強度増加に対して屈折率などの伝搬特性が一定でなくなる非線形の影響を配慮する必要が出てくる。

事実、100Gと10G以下のサービスを、一緒に束ねて伝送させる市場要求はあり、各通信機器メーカは、トランスポンダ(100G×1ch)と、マックスポンダ(10G×10ch)という製品をリリースし、100Gのディジタルコヒーレントのみで導入できるソリューションを展開している。
これにより、T(テラ)ビット/秒の大容量・長距離伝送システムの導入も、各事業者が比較的容易に検討出来る状況にある。

WDMメーカ各社がリリースしている、トランスポンダ(100G×1ch)と、マックスポンダ(10G×10ch)のイメージ図を下図に示す。

もし、100Gと10G以下のサービスをWDM伝送にて共存させる場合は、100Gのコヒーレント偏波の波長と強度変調の波長を隣接させず、離して配置(一部の波長帯を未使用)することで、伝送品質上の無用なトラブル発生を防ぐ策とはなる。
波長帯の一部を未使用のまま運用するか、または、マックスポンダを使って限られた波長帯を有効に利用するかは、運用性、拡張性、コスト等の条件を加味して、導入段階で検討する必要がある。
100Gの光トランシーバも、10Gトランシーバが汎用的に普及してきたように、時間とともにコストも下がっていくと考えられるが、これからWDMを使って100Gインフラ導入を検討される際は、今回紹介したメリット/デメリットも考慮されると良いだろう。

※強度変調:
デジタル符号の”1″と”0″を、光の”ON”と”OFF”に変換して情報を伝達する方式
※直接検波:
受信端にて光の強度を直接読み取る方式
※非線形の影響:
光を強度増幅しても、屈折率などの伝搬特性が一定でなく、均等に増幅されなくなること。線形でなくなること。

まとめ

光通信は、あらゆるネットワークサービスを根底より支えている。
メーカ各社は、商用インフラ設備用には安定した通信機器を提供しつつ、さらに次世代へ向けた高速通信(400G、1T..)への実証実験も進めている。
次回のコラムでは、「100G 高信頼性の実現、冗長技術について」を紹介する。

執筆者プロフィール

松井 裕二
ネットワンシステムズ株式会社 ビジネス推進本部 第1応用技術部 コアネットワークチーム
所属
通信機メーカにて、NTT向け、管民需向け伝送ビジネスのシステム設計業務に従事
ネットワンシステムズ入社後、オプティカル製品(SONET/SDH,、RPR、WDMなど)の評価、検証及び案件技術支援を担当

  • ADVA Certified Expert #083192
  • 監理技術者

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